2019年 震えた曲

今年こころ震えた曲ベスト 

スペクトラム ホワイトアウト 上原ひろみ作曲



2019年12月にみなとみらいホールにて

1番に感じた印象は「統合」


これまで音楽はジャンル分けを進めてきた。
これはジャンル分けをする事で楽しみ方を明確化するなどのメリットがあった。

クラシックは過去の作曲者の心の中を想像し楽しむし
ジャズはその日の演奏で起こる偶然性を楽しむ。

そうして音楽の「音を楽しむ」を分化してきた。

しかし、 分化が進むとこう言う思想が現れる

■「これはジャズだ」
■「これはジャズじゃない」

個人的な思いを言うと、これは「音を楽しむ」ではなくなっている。
音楽史を楽しむというのが正しいのか、正確な表現は見つからないが

この考えに囚われると本来の「音を楽しむ」音楽が、ごく窮屈になってくる。

ちなみに、上原ひろみの演奏する曲はジャズ理論を勉強した人からするとジャズとロックの融合と解釈されるらしい。

時代はネット上で様々な音楽を自由に自分のタイミングで楽しめるようになった。

これだけ表現が多様になってきた時代、ジャンル分けは荒廃し
それを統合して、純粋に音を楽しむことに取り組む事ができるようになってきているのかもしれない。

上原ひろみのホワイトアウトという曲を聴いた時に、クラシック、ロック、ジャズなどのジャンルの壁が取り払われ、高いレベルで統合されているように感じた。

これまでもジャンルを飛び越えるような作品を聴いてきたが
その都度、各ジャンルの専門家は「中途半端だ」と捉えるような発言をしている。

そういう専門家がこの音楽を聴いてどう思うのか興味があるが

私としては、各ジャンルの専門家もぐうの音も出ないほどに
高い次元で扱われており、それらが違和感なく混ざり、
統合された音楽なのではないかと感じる。

とまあ、いろいろ書いてしまったが理屈抜きでこのアルバムは素晴らしかった。

できれば生で聞いた衝撃がすごかったので、機会があったらチケットをなんとか買って聴きに行ってもらいたい。

■やさしい気持ち チャラ

5月 フジ&サンというライブにて

このフェスは音楽を聴く目的で参加したわけではなかったので、
特に狙って聞いた曲ではなかった。

また、「やさしい気持ち」という曲も子供の頃に聴いた曲で記憶にあったが、
そこまで強い思い入れがある曲ではなかった。

この日、初めてみたチャラのエネルギーに圧倒された。

もう一度言うと、本当に圧倒された。

音楽の力ってこれかというのを見せてもらった。

富士山が見える土地の下で、チャラの浮遊するような歌声に身を任せて

こころが浄化されるような体験だった。

■魔女の宅急便 久石譲

静岡県民ホールで鑑賞

高校時代からの夢だった久石譲オーケストラによる演奏を念願かなって聴くことが出来た。

偶然夏には家族でクロアチアへ旅行した。

久石譲ワールドオーケストラは、どんな曲が演奏されるかは当日のお楽しみだが、この日大好きな「魔女の宅急便」も演奏された。

何百回聴いたかわからない
豊嶋泰嗣さんのソロも聴くことが出来た。

豊嶋さんの音色は、豊嶋さん自身の外見とは裏腹に男性的でない。
また、変な表現だが女性的でもない。
大人すぎず子供すぎず、
大人へ変貌する女の子のような、
女性の丸さと、若々しい鋭さが合わさった、心地よい音がする。
そんな音色が好きで、キキのイメージにもぴったりだと思う。

聴いた演奏はそのイメージと違わぬものだった。

音ははかなくその瞬間だけ感じ、そして自分の心の中にだけ残る。
そういう儚さも合わせて美しい。

20年前に初めて聴いて惚れたこの音色が、時空を飛び越えて。