坂口 陽 一級建築士事務所ができるまで その2

の続き

2、研究者でいいのかとなった大学時代

環境問題に取り組みたいという思いで分析化学を学んでいました。

4年生になって研究室に所属し研究することになったのは「大気中の微粒子の分析」でした。
そして環境問題に取り組みたいということから選んだこの研究が
私に世の中の難しさを教えてくれました。

研究対象であった微粒子はススでこれが‘日本では’人体に悪影響を与えているとされていました。

そしてその発生源は主に ディーゼル車 なのですが

(以下車の話が続きます。読み飛ばしたい方はしたの(車の話終わり)まで)

このディーゼル車
この、日本においては当然「環境に悪い乗り物」として認知されていました。

その原因がススだったのです。

当時の東京都知事が
「東京都内はディーゼル車は走らせない」という
規制を設けたことがあります。

記者会見でススの入ったペットボトルを手に持ち
こんなものを排出する車を都内走らせるわけにいかない。
とコメントしていた印象を覚えている方もいるかもしれません。

そんなことをきっかけにディーゼル=環境に悪いという
印象が多くの人の中に残った事実がありました。

しかし、実はこのディーゼル車が悪者なのは
日本に限ったの話なのです。

実は欧州においてはディーゼル車は環境に良い車とされていたのです。

不思議ですよね。


この違いは何故生まれたのかというと。
「どこの点を見て環境に良い悪いを判断するか」にあります。

具体的に説明します。
車が出す有害物質は大きく3つあり

1つ目は日本が話題にしたスス
2つ目は二酸化炭素CO2
3つ目は窒素酸化物NOX

日本はススのイメージだけで環境に悪い印象となってしまったのですが、
ガソリン車に比べて2つ目3つ目は圧倒的に低いことから、欧州では
環境に良い車として理解されていたのです。

視点を変えると物事の正解がまるっきり変わってしまうのです。

そのためにその後のディーゼル車の開発は欧州に比べて遅れを取ったという
話もありますが、、、、、それは置いといて

(以上車の話終わり)

環境に良いって
「見る視点で変わってきちゃうんだな」
そして
「政治家が一声言ってしまうと、印象は操作されちゃうんだな。
正しさってなんなんだろう。。。。」

という疑問が自分の中で膨らんだのです。

また、「環境に良い」と言っても、「地球」にとって良いのか「人」にとって良いのか「双方にとって良い」のかこの視点も入り混じっています。

研究者はものすごく限られた点の世界を深掘りして、真実を追求する仕事なのですが

この深掘りした点で環境の良し悪しを図る事は非常に危険だと思ったのです。

また、その判断をするのが必ずしも研究者ではない。
そしてそれを世に打ち出して影響を与えるのも研究者ではない。

そうなると 最悪
自分が研究者として探求した点が人をあやめることになったり、
地球環境を誤った方向に持っていく可能性がある。

そういう恐れが自分の中に膨らみました。
そして以下のように思考が展開していきます。

⬇️

人生をその方向に進めて良いのかな?

⬇️

もっと浅くて良いからわかりやすい方向に進もう

⬇️

単純に環境に興味を持つ人が増えたらいいじゃん

そもそも自分自身が地球環境に取り組みたいと ‘自分が思ったきっかけ’ はなんだったのだろう?

⬇️

イギリスで美しい街並みを見たから。

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自然と共生する暮らしを体感したから。

⬇️

じゃあ 建築の業界で就職先を探してみよう

⬇️

「環境問題 住宅 企業」で検索ボタン ぽち

⬇️

この検索でトップに来た会社が私の就職先となりました。

そうして私は研究者から住宅業界へと人生の舵を切りました。

この年2006年。

そして。。。。3へ続く